『書店主フィクリーのものがたり』


書店主フィクリーのものがたり

書店主フィクリーのものがたり


【その書店は島で唯一の、小さな書店―偏屈な店主のフィクリーは、くる日もくる日も、
一人で本を売っていた。かつては愛する妻と二人で売っていた。
いつまでもそうすると思っていた。しかし、彼女は事故で逝き、いまはただ一人。
ある日、所蔵していたエドガー・アラン・ポー稀覯本が盗まれる。
売れば大金になるはずだった財産の本が。もう、なにもない、自分にはなにも。
それでもフィクリーは本を売る。そしてその日、書店の中にぽつんと置かれていたのは―いたいけな幼児の女の子だった。
彼女の名前はマヤ。自分も一人、この子も一人。フィクリーは彼女を独りで育てる決意をする。
マヤを育てる手助けをしようと、島の人たちが店にやってくる。婦人たちは頻繁にマヤの様子を見に訪れるし、
あまり本を読まなかった警察署長も本を紹介してくれと気にかけて来てくれる。
みなが本を読み、買い、語り合う。本好きになったマヤはすくすくと成長し…人は孤島ではない。
本はそれぞれのたいせつな世界。これは本が人と人とをつなげる優しい物語。】



さらりと流れるように読めて、じんわりと奥が深いストーリーでした。
主人公・フィクリーの心の変化と、彼を取り巻く島の人々が【本】を介して
変わっていく様子は、本好きの人にはとても伝わると思います。
作中に沢山の小説タイトルが登場します。自分が知っている小説が出てくるとさらに嬉しくなります。
私の大好きな『本泥棒』も出てきてビックリ♪
フィクリーが紹介した作品を私も島の人たちと同じ気分で読んでみたいと思いました。



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