『月と雷』
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/07/09
- メディア: 単行本
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【不意の出会いはありうべき未来を変えてしまうのか。
ふつうの家庭、すこやかなる恋人、まっとうな母親像…「かくあるべし」から
はみ出した30代の選択は。最新長篇小説。 】
次はどの本を読もうかな〜と、いつも本棚の前で悩むのですが、
角田さんの新刊を冒頭読み始めた途端止まらなくなりました。
何の予備知識も無く、ストーリーもわからず読んだので、
内容に少し驚きもあったけれど、角田さんが書く物は、
外さず面白いなと再認識しました。
『ふつうの生活』ってどんな暮らし方なんだろう。
読み始めは、『ふつう』は『ふつう』でしょ…と思っていましたが、
読後は、いったい誰が『ふつう』って決めたのかな?と考えが複雑になりました。
心理学でいう【逃避】にあたるのかな〜!?
問題が山積しても、行動することをやめてしまい、何もせず何も考えず。
それが当たり前と思い育ってきたら、それが『ふつうの生活』になるだろうし、
そんな生活を否定するのも肯定するのも誰が決めることでもないんだろうな。
人の人生に係わって、人生を変えただとか変えられたということも、
考えてもどうすることもできない…。
……そんな事柄が角田さんの筆力で、納得の面白さで描かれていました。