『湿地』

湿地 (Reykjavik Thriller)

【雨交じりの風が吹く、十月のレイキャヴィク。北の湿地にあるアパートで、
老人の死体が発見された。被害者によって招き入れられた何者かが、
突発的に殺害し、そのまま逃走したものと思われた。
ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。
だが、現場に残された三つの単語からなるメッセージが事件の様相を変えた。
計画的な殺人なのか?しだいに明らかになる被害者の老人の隠された過去。
レイキャヴィク警察犯罪捜査官エーレンデュルがたどり着いた衝撃の犯人、
そして肺腑をえぐる真相とは。
世界40ヵ国で紹介され、シリーズ全体で700万部突破。ガラスの鍵賞を2年連続受賞、
CWAゴールドダガー賞を受賞した、いま世界のミステリ読者が最も注目する北欧の巨人、ついに日本上陸。 】

近頃、色々な国の小説が翻訳されていますが、とうとうアイスランドの
ミステリも読める機会がやってきました。

昨今話題の北欧系小説は、だいたい重たい内容で、どちらかというとサクサクとは
読めませんが、こちらはページ数、テンポは軽めでサクッと読める作品でした。
（テーマは、やっぱり重たいですけどね。）

本編読後に読んだ、訳者あとがきと解説がとても良かった(*ゝ∀･)b
訳者の方がアイスランドへ足を運ばれ、作者アーナルデュル・インドリダソンに
インタビューをしたそうです。
彼との会話で「なぜミステリ小説を？」の問いに、「イアン・ランキンは、
何処かの国を知りたかったら、ミステリ小説を読めばいい、いちばん的確な案内書だ
と言っていますが、私も同感です。」と答えています。
まさに私も同感です!!
スティーグ・ラーソン『ミレニアム』で、ガイドブックのイメージには無い
スウェーデンを知ったし、教科書では習わなかった根深い時代背景なども知る
ことができました。

レイキャヴィク警察犯罪捜査官エーレンデュルのシリーズは本作が３冊目で
（キャラクターたちに、完成感があったのはそのせいね）、すでに１１作が
発表されているそう。
北欧５ヶ国の作家が書いた推理小説のもっとも優れた作品に贈られる
【ガラスの鍵賞】を本作と４作目にあたる『緑衣の女』で、前代未聞の
２年連続受賞をしたというから驚き!!
さらに『緑衣の女』の方が大ヒットしたというので、これからの刊行を楽しみに
待っています。

にほんブログ村