『冬の灯台が語るとき』

冬の灯台が語るとき (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

冬の灯台が語るとき (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

エーランド島に移住し、双子の灯台を望む屋敷に住みはじめたヨアキムと
その家族。しかし間もなく、一家に不幸が訪れる。
悲嘆に沈む彼に、屋敷に起きる異変が追い打ちをかける。
無人の部屋で聞こえるささやき。子供が呼びかける影。何者かの気配がする納屋…
そして死者が現世に戻ってくると言われるクリスマス、猛吹雪で孤立した屋敷を
歓迎されざる客たちが訪れる―。
スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀長篇賞、英国推理作家協会賞インター
ナショナル・ダガー賞、「ガラスの鍵」賞の三冠に輝く傑作ミステリ。】


ヨハン・テリオンのエーランド島・四部作の翻訳二作目。
前作『黄昏に眠る秋』も良い作品でしたが、今回もなかなかの面白さでした。
前作のタッチとは少し違う雰囲気があり、ゴシックホラーのストーリも絡んで
物語が何処に進んでいくのか読めない展開でした。


前作にも登場した島に住んでいる老人・イェルロフが、良い味を出して再登場。
以前も書きましたが、老人が人生を回顧する話、さらに言えば、それが一人称小説で
あれば尚更好きです。
今作では、推理のヒントを与えるキーマンになっています。


エーランド島の厳しい冬の情景と家族の秘密が繊細に描かれていました。
次回作も楽しみ♪


余談
作中に、【ブリザード】の様子が書かれています。
北欧ですから、その凄まじさは想像もつきませんが、私のブリザード!?体験を
すこし…。


小学生の頃、吹雪のため集団下校になりました。
今でも人生の中で体験した一番強烈な吹雪だったと思っています。
学校から自宅まで徒歩3分の距離でありながら(汗、途中で息ができなくて
死にそうになった!!と当時は思いました。
そのころ映画で観た、吹雪の八甲田山を歩くとはこんなかんじだったのか!!と
小学生ながら考えていたのを覚えています。(かなり大げさですけど)


更に記憶は遡り、自分が幼稚園児だった頃。
朝から吹雪で、その日は幼稚園まで父が送ってくれました。徒歩で。
その時の吹雪も凄かったと、今でも雪の残像が残っています。
園に着くと休園でした(ガーン。当時は、連絡網なんてなかったのかな?
また吹雪の中を帰ります。こちらも徒歩5分くらいの距離なんですけどね。
帰宅後、母がなんだかワーワーと言っていました。
私が着けていたマフラーが無い、落とした!?…らしいと。
今思えば何故探しに行かなかったのかなと思いましたが、雪の下になって
いるから無理と諦めたのかな…。


今でも母は笑い話でその日の事を覚えていました。
忘れるにも忘れられないはず、落としたマフラーはミンクのマフラーだったのです。
どおりでワーワー言うはずですね。
昨日、「どうして、子どもにミンクのマフラーを着けたの!?」と尋ねたら、
「寒いと思って。」…と、ごもっともな回答がありました。ありがたいことです。
それ以降、私は毛糸のマフラーしか着けた覚えがありませんけどね。


最近は、吹雪で怖い体験をしたことはありません。
私が大人になったからかな…。






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