『二流小説家』
- 作者: デイヴィッド・ゴードン,青木千鶴
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/03/10
- メディア: 新書
- 購入: 3人 クリック: 159回
- この商品を含むブログ (84件) を見る
【ハリーは冴えない中年作家。シリーズ物のミステリ、SF、
ヴァンパイア小説の執筆で何とか食いつないできたが、ガールフレンドには
愛想を尽かされ、家庭教師をしている女子高生からも小馬鹿にされる始末。
だがそんなハリーに大逆転のチャンスが。かつてニューヨークを震撼させた
連続殺人鬼より告白本の執筆を依頼されたのだ。
ベストセラー作家になり周囲を見返すために、殺人鬼が服役中の刑務所に面会に
向かうのだが……。ポケミスの新時代を担う技巧派作家の登場!
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞候補作】
ハヤカワのポケミスでこのタイプの小説を読めるとは思いもしませんでした♪
さすが新世代作家を取りあげているだけある!!
冴えない二級小説家が、本物の猟奇的殺人事件に巻き込まれていく
ストーリーなのだけれど、それだけにとどまらない構成が面白い!!
ハリーはあらゆるジャンルのB級小説をペンネームで発表している作家。
そのB級小説も本編に挟み込んでいて、その小説がバカ過ぎて面白い!!
ミステリー小説ファンに向け、もうサービス精神満載の作品で…、
あっ、この先は言えないな…、ま〜、これでもか状態というわけなんです。
それが過剰過ぎて、若干空回り的な部分もあるけれど、キャラクター設定と
読者の掌握術が上手いので、全てを許してしまえる感じでした(^Д^;)
本格ミステリー好きな方(とくに昔ながらのポケミスファン)は、受け付けない
かもしれません。
頭を柔らかくして読むと私はなかなかの快作だと思いました。
楽しかった。映画化向き!!