『いたって明解な殺人』

いたって明解な殺人 (新潮文庫)

いたって明解な殺人 (新潮文庫)

【頭を割られた妻の無惨な遺体…その傍らには暴力癖のある
知的障害の息子、クリスタルの灰皿。
現場を発見した夫アダムの茫然自失ぶりを見れば犯人は明らかなはずだった。
担当するのはかつて検事補を辞職し、今は屈辱的な立場で検察に身を置くレオ。
捜査が進むにつれ、明らかになるねじれた家族愛と封印された過去のタブー。
めくるめくツイストも鮮やかな、心理×法廷サスペンス。】


構成が面白い作品でした。
第一部が、主人公の目線で語られる生い立ち、夫婦の関係、一人息子。
サイコサスペンスを思わせる内容と、淡々と進むストーリーに
ページもどんどん進みます。
そして、第二部に入ると一転、法廷劇が始まり、
第三部で事件の真実に迫るストーリーに転換していくといった感じ。


文庫1冊分の小説ですが、翻訳小説としては、かなり短いと思います。
(字が大きくてビックリしたし…)
この文字数で、スッキリとまとめられた上手さが驚きで、もしこれが
更に深く掘り下げた心理サスペンスだったら、大傑作になって
いたのではないかと、読後感じました。


重い作品と重〜い作品の間に入れるのにおススメの小説♪

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