『死を騙る男』

死を騙る男 (創元推理文庫)

【小さな町の平穏は、その殺人で完全に破られた。
被害者は末期癌の老女。死体は喉が切り裂かれ、奇妙な細工が施されていた。
小さな警察署を署長代理として率いるのは、61歳の女性警部補ヘイゼル。
不可解な事実がつぎつぎと明らかになり、やがて事件はカナダ全土へと波及する…。
困難を抱えた女署長と、謎に包まれた殺人犯の対決を圧倒的な筆力で描く、
迫真の警察小説デビュー作。 】

色々な主人公の物語を読んできたけれど、田舎町の女警察署長・・・、
年齢６１歳・・・。
このシチュエーションは、今までにないパターンかもね（＾＾；）

あらすじからは、【猟奇的な殺人事件】と連想されますが、
決してそれだけには収まらない人間模様がありました。
激しいサイコサスペンスではありません。
（まっ、激しい部分もありますけど・・・。）

連続殺人犯を追うＦＢＩや警察官の活躍する姿が鮮やかに描かれて
いる作品も数多くありますが、同じ・・・いやいやそれ以上の
前代未聞の事件を抱え込んでしまったカナダの小さな警察署。
明らかに困難は目に見えています。

統廃合をひかえ、署長代理の肩書のまま、人員・予算・上司からの圧力・
離婚・体調不良・・・、さまざまなストレスの中、署のリーダーとして
立ち向かわなくてはならないヘイゼルの痛みが切なかったです。

登場人物も魅力的なキャラクターが多いので続編に期待です。
また田舎町で事件ですか!?

にほんブログ村