『満員バスにて・・・』


バスに乗りました。
私は座っていたのですが、すぐに満員状態・・・。


そこに、眼鏡を真っ白にしながら背の低いおばあさんが乗り込んできました。
私は、若者!?として席を譲りました。


そのおばさんは、お話し好きのようで、「すみませんね〜。転んでケガを
すると周りの人にも迷惑をかけるし、杖もあるんですけどね、バスでは折り
たたんでいるんですよ。折りたたみ式はいいですよ〜。」から始まり、
「敬老パスをもらうようになってしまったけれど、洋裁は今でもなんでも
縫っていますよ。眠れない夜は、ミシンを出してきてね・・・。」と次々と
お話は続き・・・、私は、満員バスだったので「ほ〜」とか「へ〜」とか微妙な
相槌で聞いていました。


「年賀はがきの当選発表は、15日ですよね?」と聞かれたので、
「以前はそうでしたけれど、今は違うようですよ。」という話をきっかけに
思いもよらない話を聞くことになるとは・・・。


おばあさんは・・・「私、いつも当たるのよ。この前は2等賞が当たったの。」と、
去年は切手シートすら当たらなかった『クジ運ゼロ』の私に、内緒話のように
話しだして、「生まれて初めて宝くじを一万円分買ったら、当たってね・・・。
いくら当たったと思います?」とおばあさんの目がキラリと光った。
「これだけ当たったの・・・。」と、さっと指を2本出し・・・。
私は、2000?200?・・・、とりあえず「200万円ですか?」と
答えると、おばあさんはニヤリと笑って「2億円・・・。」


ぎょ〜、初めて会った億万長者!!
「でもね、全部色々な病院に寄付をしたの。車いすを買ってもらったりね。
亡くなった主人には、とうとう当たったことを最後まで言わなかったよ。
宝くじは、当たっても自分で持つとよくないからね・・・。」
そんな話は聞いたことがあったけれど、せっかく当たったのに1円も使えないのか!!


おばあさんはの話は、内緒話のようであって、声の大きさから後部座席のほとんどの
人に聞こえていた思う・・・(^・^;)
でも長年連れ添った御主人は知らないまま天国に行ってしまったのね・・・(;▽;)


おばあさんは、降り際に「今日は、良いことをされたから、何か当たるかもよ。
私が触ったから運がつくわよ。」と、ポンポンと私の手を叩いて降りて行きました。


「えっ、今日は宝くじを買うべき!?」と頭をよぎったけれど、大金を手にしても
使えないストレスと、日々【プチな幸せを細く長く】をモットーに生きている私の
人生に変化はいらないと思い、面白話の一つで終わらせることにしました♪



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