『あなたに不利な証拠として』

【警官を志望する若きキャシーがマージョリーと出会ったとき、
彼女の胸にはステーキナイフが深々と刺さっていた。
何者かが彼女を刺し、レイプしたのだ。
怯え、傷ついた彼女を慰めるキャシー。
だが捜査を担当したロビロ刑事は、事件を彼女の自作自演と断じる。
マージョリーに友情めいた気持ちを抱いていたキャシーだったが、
どうすることも出来なかった。
それから六年後、キャッシーとマージョリー、そしてロビロの
運命が再び交わるまでは・・・。
MWA賞最優秀短編賞受賞の「傷跡」をはじめ、男性社会の警察機構
で生きる女性たちを描く十篇を収録】


またまた、やっと読みました(;_;)
このミステリーがすごい!2007年版』の海外部門第1位を
受賞した作品です。
本棚で熟成しすぎました。もうすでに文庫化されています・・・。
私は、【ハヤカワ・ポケット・ミステリ】で読みました。


【ハヤカワ・・・】のシリーズは、良い作品も多いので、
魅力的ではあるのですが、なかなかサクサクとは読み進めません。
(古典が多いからかも・・・。)
でも、この作品はぐんぐん読めましたね〜。
単に短編だからというのではなく、リアリティーに富んでいて
惹きつけられた感じ・・・。


キャサリン・リズ・モナ・キャシー・サラ・・・。
5人の女性警官の職務、日常、心情をそれぞれ一人ずつスポットを
あてた短編集です。
すべてが魅力的な主人公なので、短編がもったいなく思うくらいでした。
もっと続きが読みたい!!


タイトルは、警官が犯人逮捕の時に告知を義務付けられている
ミランダ警告」からきている。
「あなたには、黙秘する権利がある。」「あなたの発言は法廷で
不利な証拠として扱われる可能性がある。」
言うね・・・。映画とかドラマでも・・・(^∀^)


女性警官や女性捜査官が主役の小説(特に翻訳本)は、巷には
多々ありますが、私が苦手としているジャンルが、ラブロマンスを
強調しすぎているもの。
お話が全部で【10】の内容だったら、ロマンスは【1〜2】で結構だね。
メロメロシーンが【5】を超えたら、もう勘弁してくださいって感じ(´Д`)


今回の作品は本当にリアルで、綺麗に描かれているドラマや小説とは
一線を画するかも・・・。
普通のミステリーでは無いことだけを付け加えます。