『家族八景』

家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

【幸か不幸か生まれながらのテレパシーをもって、目の前の
人の心をすべて読みとってしまう可愛いお手伝いさんの
七瀬・・・彼女は転々として移り住む八軒の住人の心に
ふとしのび寄ってマイホームの虚偽を抉り出す。
人間心理の深層に容赦なく光を当て、平凡な日常生活を
営む小市民の猥雑な心の裏面を、コミカルな筆致で、
ペーソスにまで昇華させた、恐ろしくも哀しい本である。】


NHK10月スタートドラマで『七瀬ふたたび』が
リメイクされることになったそうです。
懐かしいぃ〜!!
当時の【少年ドラマシリーズ】の人気作品の一つ。
私は、タイムリーな世代ではないけれど(若干ね)、
タイム・トラベラー』『なぞの転校生』等々とならぶ
有名なドラマ。


もう一度読みたくなって、『家族八景』と『七瀬ふたたび』の
文庫を購入してきました♪
昔と違う予想外の綺麗な装丁・・・。


家族八景』は『七瀬ふたたび』につながる、七瀬シリーズ
序文的な物語。
この本は、確か10代の頃に1度読んでいて、その頃の印象は、
とにかく人間の心の中って、こんなにもドロドロしているもの
なのかとショックと気持ち悪さを感じました。
八軒の家に、お手伝いさんとして転々とする七瀬。
八家族それぞれに抱える悩みや憎しみが、若い七瀬に降りかかり、
人の心を読めることがなんて不幸なことなのかと、
同情してしまったくらい・・・。


歳をかなり重ねた(゜∀゜;)今、再読して全く違った
印象を受けました。
面白さは変わらないけれど、1話1話が、まさに現代社会が
抱えている家族の関係を切実に表していて、さすが先見の目を
持った筒井康隆先生!!って感じ。


『七瀬ふたたび』は、これから読みます!!


筒井康隆の小説で、懐かしい作品を思い出しました。
時をかける少女』はもちろんのこと、『緑魔の町』
ミラーマンの時間』とSFの世界を楽しませてくれる作品の数々・・・。
ドキドキしながら読んだ高校時代が懐かしい〜(;∀;)