『三月は深き紅の淵を』

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)


【鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に2泊3日の
招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、
その屋敷内にあるはずだが、10年以上探しても見つからない
稀覯本『三月は深き紅の淵を』の話。
たった1人にたった一晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。】


3月なので読みました・・・(^∀^;)
以前、『黄昏の百合の骨』という本を読みましたら、なんだか続編??って
感じのストーリーで、調べたところ、どうも彼女の本を読むのには順番がある
らしいと知りました。
思いっきり逆走の私ですが、改めて順番に従ってこの本から読み始めることにしました。


巷では、この【三月シリーズ】は・・・、
『三月は深き紅の淵を』→『麦の海に沈む果実』→『図書室の海「睡蓮」』→
黒と茶の幻想』or『黄昏の百合の骨』
と順番に読んでいくと話がみえるそうです。


誰もが目にすることが困難になった本『三月は深き紅の淵を』を
めぐるストーリーで4部構成になっています。
それぞれ違った話なんですが、各箇所にその本『三月・・・』の【伏線】が
隠されていてそれぞれにリンクしていきます。
そして、その後、先程の【三月シリーズ】各本と読み進めていくと、
さらに面白さが広がっていくというかなり大掛かりな物語に作られていることに
気づきました。
読後感じたことは、恩田さんのすべての小説がぎゅっと詰まった感じの
ストーリーだと思いました。
六番目の小夜子』もあれば『夜のピクニック』もありみたいな・・・。


彼女の本を愛する気持ちがヒシヒシと伝わってきましたよ〜。
小さい頃からかなりの本を読んでいる方なんですね・・・。
作品中に各時代、各ジャンルの本の題名が出てきます。
私の好きな作品もあり、嬉しく感じました。
古典からミステリー、ホラー、児童書まですべての本好きの方なら、
「わかる、わかる!」と、作者と一緒にうなずけるのではないでしょうか。