『エンジェル』
- 作者: エリザベステイラー,最所篤子
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 文庫
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【舞台は20世紀を迎えようとする英国。
母が経営する食料品店の二階に住むエンジェルは、
貴族の世界に憧れる貧しい少女。
空想の羽をはばたかせて壮大な小説を書いたところ、
大ベストラーになり、16歳で一躍流行作家となる。
富と名声を得たエンジェルは、ある日、貴族の甥で眉目秀麗な
貧乏画家エメスと出会い、結ばれるが・・・。
自立を志す女性が手にした栄光と愛、破滅と没落までの生涯を描いた、
英国の幻の悲劇。】
映画が公開されるので原作を読みました。
去年12月にすでに公開の映画なのですが、我が街では今月上映・・・。
今頃・・・と思いながら、無しよりいいかと。
自分の貧しさを現実と受け止められず、空想の世界では優雅に暮らす
エンジェル。
風変わりで、人の意見は一切聞かず、想像を膨らませ嘘をつく。
もちろん学校では友達にも嫌われ、友人と呼べる人もいない。
この生活に行き詰った時、自分の理想の世界観を小説として書くことに
全精力をかける。
小説は大成功し、生活は一変する。
ただ、性格や不躾さは変わることはなく、思いやりの心は全く持たず、
自分が世界で一番と思う高慢さ・・・。
エンジェルの生き方に圧倒されながら読み続けました。
英国の貴族社会や、ディケンズ風の下層階級を舞台にした小説が
結構好きです。
私の好きな作家サラ・ウォーターズの雰囲気に似ているなと思っていましたら、
彼女はこのエリザベス・テイラー(女優さんではないですよ)の
熱狂的なファンなんですって。なるほど!!