『予告された殺人の記録』

予告された殺人の記録 (新潮文庫)

予告された殺人の記録 (新潮文庫)

【町をあげての婚礼騒ぎの翌朝、充分すぎる犯行予告のも
かかわらず、なぜ彼は滅多切りにされなければならなかったのか?
閉鎖的な田舎町でほぼ三十年前に起きた、幻想とも見紛う殺人事件。
凝縮されたその時空間に、差別や妬み、憎悪といった民衆感情、
崩壊寸前の共同体のメカニズムを複眼的に捉えつつ、モザイクの
如く入り組んだ過去の重層を、悲しみと滑稽、郷愁をこめて録す、
熟成の中篇】


以前からG・ガルシア=マルケスを読んでみたかったのですが、
ノーベル文学賞受賞作家なので、難しいかな〜と思い、
まずは中篇からチャレンジしてみました。


三十年前に起きた事件の様子を、当時を振り返り町の人々に話を
聞いていくルポタージュ形式の小説。


次から次と、沢山の人が出てきて、さらに舞台が中南米なので、
名前を覚えるのに時間がかかりました(^^;


町の若者・サンティアゴを殺そうと狙う双子のパブロとペドロ。
町中の人々が、犯行予告を知っていながら、なぜ阻止することが
出来なかったのか・・・。
「本気だと思わなかったから。」「出る幕ではないと思った・・・。」
等々・・・。
【偶然】が、人々の間でいくつも重なる事により、十分に予告された
殺人が行われてしまった・・・。


さすが、作家が大物だけあって、文の流れに乗るように
読み出したら止まらなくなりました。
筆力のある本は、やっぱり読み応えがあって、
読んで良かったな〜って気持ちになります(*^∀^*)