『本泥棒』

本泥棒

本泥棒

【わたしは死神。自己紹介はさして必要ではない。
好むと好まざるとにかかわらず、いつの日か、あなたの魂は
わたしの腕にゆだねられることになるのだから。
これからあなたに聞かせる話は、ナチス政権下のドイツの
小さな町に暮らす少女リーゼルの物語だ。
彼女は一風変わった里親と暮らし、隣の少年と友情をはぐくみ、
匿ったユダヤ人青年と心を通わせることになる。
リーゼルが抵抗できないもの、それは書物の魅力だった。
墓地で、焚書の山から、町長の書斎から、リーゼルは書物を盗み、
書物をよりどころとして自身の世界を変えていくのだった・・・。
アンネの日記』+『スローターハウス5』と評され、
アメリカ、イギリス、オーストラリアなどで異例の
ベストセラーを記録した、新たな物語文学の傑作。】


良かった・・・。かなり良かった。
1月にして今年ナンバー1の本かも。
以前から、タイトルがとっても気になっていて、手に取っては
後回しになっていました。
今、読み終わって「もっと早くに読んでおくべきだった〜!!」と
かなりの後悔・・・。おまけに、久々に図書館で借りた本・・・。
これから買いに行きます!!
絶対自分の本にしたいと思いました。


物語は、ナチス政権下のドイツ。
世界は、どんどん暗い時代へと進んでいきます。
アンネの日記』は、ユダヤ人から見た戦争、本書はドイツ人が
体験した戦争です。
いつの時代も、どこの国でも戦争は人々に暗い影を落とします。
でも、人間は立場は違えど、たくましく生きていくのだと感じました。


死神が、リーゼルの人生を語っていきます。
その語り口調も面白さを引き立てていました。
そして、本文中には、ユダヤ人青年マックスの書いた本が
出てきます。これがまたいい!!


戦争の話ですから、悲しいシーンも沢山あります。
でも、そんな中にも【言葉】によって、人が救われていくと
いうことが、私も読んでいて救われました。


ラスト近くには、もう涙で先に進めませんでした〜(;_;)
こんなに泣いたのは、私くらいかと思いましたが、
他に読んだ方達も泣いたと書いてあったので、ちょっとホッとしました。


良い本に出会えて、本当に幸せだ・・・。