『下流の宴』
- 作者: 林真理子
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2010/03/25
- メディア: 単行本
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【普通に暮らし、普通に生きてきたつもりだったのに。
自分は下に落ちていた?
家族。生き方。変わるもの、変わらないもの。
身近に起きる格差社会の現実を真正面から描いた、大反響の新聞連載小説。】
【「私の実家は医者だったんです。父親の兄も、私の妹の主人も医者をしています。
言ってはナンですけれども、沖縄のどっかの島で、飲み屋をしているあなたの家と
違うんですよ」
「それじゃ、医者ってそんなにえらいんですか。医者の娘、っていうだけで、
そんなにいばれるんですか」
「医者の娘っていうことで、そんなにえらいんなら、私が医者になりますよ」(本文より) 】
この作者の方は、少し苦手で、若いころは全く読みたいと思わなかった・・・。
本作を本屋さんで見かけて、題名、帯に惹かれ、立ち読みの1ページ目で購入を決定!!
大切に大切に育てた息子が、高校を中退。中卒になってしまい、家出・・・。
二十歳になっても定職につかず、結婚すると言いだした。
プライドが高い母親・由美子と無気力な息子・翔。玉の輿だけを狙っている娘・可奈。
この母親を育てた気位の高い偉大な祖母。中流家庭以上のレベル意識を持つ福原家。
南の島で少し複雑な大家族の中で育った結婚相手・玉緒・・・宮城家。
宮城家は、由美子の言葉を借りれば「あっちの人たち」。
自分の持っている価値観や常識レベルから外れている人たちということ・・・。
結婚話は進むはずもなく、上記のような会話になり、意外な展開に・・・。
登場人物が、現代日本の世相を反映していて、新聞小説だったのね・・・と実感しました。
それぞれのシーンで共感や初めて知ることなど、盛り沢山の内容で考えることが
多くありました。
少し物足りなかったり、過剰な部分があったりしたけれど、一気読みの面白さでした。
シリアス&コメディーなホームドラマ化も良いかも♪