『猫を抱いて象と泳ぐ』

猫を抱いて象と泳ぐ

猫を抱いて象と泳ぐ

【伝説のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの
密やかな奇跡。
触れ合うことも、語り合うことさえできないのに…
大切な人にそっと囁きかけたくなる物語です。】


小川洋子さんの新作です。
私は、かなり好きな感じの本でした♪


水中で静かに静かに読んでいるような気分になりました。
普段読んでいる翻訳物と錯覚するような小説で、
小川さんの作品がフランスで映画化されたのもわかります。


「バリバリ現実!!」の小説が好きな方にはオススメできませんが、
小川作品がお好きな方は満足の一冊になると思います。
博士が愛した数式』のような穏やかさの中の緻密な
感じと、『ミーナの行進』のノスタルジックな感じ、そして
薬指の標本』の夢を見ているような幻想的な雰囲気が
ギュギュっと凝縮されていました。


全編でチェスの風景が出てきます。
もちろん私はチェスのルールもコマの動かし方も
わかりませんが、主人公とチェスをしている気分に
なりましたよ。


良い本でした(´∀`*)..*:.。.:*・゜゚・*