『サーカス象に水を』

サーカス象に水を

サーカス象に水を

【大テントの中に鳴り響く、大歓声と拍手。
いよいよ目玉の演目、象の曲芸がはじまった。
と、異常事態を知らせるマーチが場内に鳴り響く!
逃げ惑う客、脱走する動物たち―、
そのとき、ぼくは見てしまった。
「彼女」があいつを殺すところを・・・・・。

それから70年。
93歳の老人は、移動サーカスで過ごした4ヶ月を語り始める。
芸なしの象、列車から捨てられる団員、命がけで愛した女性、
そしてサーカス史上に残る大惨事のなさかに起こった、
あの静かな「殺人」のことを。 】


アメリカ・禁酒時代。サーカス列車が人々の娯楽を運んでいた頃、
獣医になるために学んでいたジェイコブは、自暴自棄な行動から
サーカス列車にもぐりこんでしまった。
そこで体験する、華やかなサーカスの光と影。
70年後、今は、老人ホームで自分の老いを嘆いている
ジェイコブが語る、若き日の思い出


こんなシチュエーションの小説が結構好きです。
若き日を回顧する老人のお話・・・。
その時代の臭いが伝わるような細かな描写。
本の装丁もこのお話にピッタリでした♪