『白の闇』

白の闇 新装版

白の闇 新装版


【それは、ある日突然始まった。
ある男性が、視界が真っ白になる原因不明の病にかかったのだ。
「白い病」はつぎつぎと国じゅうの人に感染していった。
「なにも見えない」「だれにも見られていない」ことが、
人間の本性をむき出しにし、秩序は崩壊する。
世界は瞬く間に生き地獄と化していった。
しかし、ただひとり目の見える女性がいたことで意外な
展開を迎える・・・。
ノーベル賞作家の世界に衝撃を与えた哲学的寓話。】


映画化を機に、新装版が発売されたので読んでみました。


いきなり目の前が真っ白になって何も見えなくなったら。
その症状を訴える人が日に日に増えていったら。
体を蝕むような感染も恐怖であるけれど、健康体なのにただ目が
見えなくなる病の感染が起こったら・・・。
現実社会では考えられないが、もし実際に起こったら
想像以上の劣悪な世界が待ち構えているということが
リアルに描かれています。
自分がこの世界に身を置かれたら、絶対生き延びれ
ないと確信しました(;▽;)


作者サラマーゴが「映画は想像力を破壊する」と言って、長い間
映画化には一切拒否していたらしいが、脚本家らの粘り強い説得の
末、今回の運びとなったそう・・・。
今月公開の映画も楽しみ♪・・・の反面、内容を知っているからこそ
観るのが怖いような・・・。


映画はこちら・・・
ブラインドネス
http://blindness.gyao.jp/


『白の闇』を読み始めた時の驚きを書いてしまうと、
まず、段落が無い・・・(@_@)!!
そして、カギカッコが一つも無い(@□@)!!
登場人物に名前すら無い・・・。
医者・医者の妻・最初に失明した男と妻・・・ってな感じ。
戸惑いながらの読み始めだったけど、内容の凄さと、
流れるような文体だったので、読みきることができました♪