『ゼロ時間へ』

ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

【残忍な殺人事件は平穏な海辺の館で起こった。殺されたのは
金持ちの老婦人。金目的の犯行かと思われたが、それは恐るべき
殺人計画の序章にすぎなかった・・・人の命を奪う魔の瞬間“ゼロ時間”に
向けて、着々と進められてゆく綿密で用意周到な計画とは?】


久しぶりにクリスティーを読みました。
クリスティーの本を選ぶ時は、必ず「ポアロシリーズかな?」
ミス・マープルシリーズかな?」と選んでしまって、どちらも
登場しないこの本は全く知りませんでした。
映画化されると聞き読んでみました♪


本文中に、
『私は、よく出来た推理小説を読むのが好きでね。
ただ、どれもこれも出発点が間違っている!必ず殺人が起きた
ところから始まる。しかし、殺人は結果なのだ。物語はそのはるか
以前から始まっている!』という件があります。
この書き出しからも、いつものクリスティー作品とは違ったものを感じました。


殺人が起きる瞬間がゼロ時間。
そこにたどり着くまでの過程がすべてゼロ時間に集約されているというのが
今回クリスティーの斬新な考え方だったように思いました。


作者本人も自作のベストテンにも挙げている力作らしく、古典ミステリーの
域を超えた素晴らしいミステリーでした。
読んでいて、英国LWT制作のTVドラマの映像が浮かんできて、
イギリス上流階級のドロドロ人間関係も興味津々の面白さで、
『誰がいったい犯人なの〜!!』って感じでしたよ〜♪
クリスティーはやっぱり【ミステリーの女王】だね(>^<)


映画は、なぜかフランス映画です・・・(・・;)