『魔女は夜ささやく』

魔女は夜ささやく〈上〉

魔女は夜ささやく〈上〉

魔女は夜ささやく〈下〉

魔女は夜ささやく〈下〉

【17世紀末、アメリカ南部。町を襲う魔女を捕らえたとの報に、
魔女裁判を行なうべくやってきた判事ウッドワードとその書記マシュー。
悪魔の呪いのためか、彼らが目にした町は荒れ果てていた。
司祭と夫を鉤爪で惨殺し、牢獄に囚われた“魔女”は混血の美女レイチェル。
夜闇に跳梁する魔物どもと戯れる姿も町民に目撃されているという。
裁判の日が刻々と近づく。だが若きマシューは疑念を捨てきれない。
獄中の美女は本当に魔女なのか?
かの名作『少年時代』で感動を呼んだ巨匠マキャモン、十年の沈黙を破る復活作。 】


昨年、キングやクーンツの新作を読める幸せがあり、
ふっと、「キング、クーンツとくれば・・・マキャモンでしょ〜!!」と
思い出しました。「マキャモンはいったいどうしてしまったんだ!?」
モダンホラーと称されるジャンルの3大巨匠の一人・・・。
『少年時代』は、本当に素晴らしい作品だったし、その10年後に
発表された本作を最後に翻訳されていないのが本当に残念でなりません。
(未訳は2作品あるようですが・・・。)


・・・で、また6年間も寝かし続けてしまった(゜∀゜;)この作品が、
今年最初の本となりました。
2004年版『このミステリーがすごい!』第3位になっています。
(この年、第1位はサラ・ウォーターズの『半身』です。これも面白い!!)
もっと早くに読めばよかったと、またトホホの反省です。


マキャモンが描く少年は、ピュアで、若々しい心情がストレートに表されて
いて、読みながら爽やかな気分になったり、反面息苦しくなったりと、
とっても引き込まれます。


17世紀の植民地時代のアメリカ。
自分の町を創り上げようと躍起になっている暴君的な創立者や、
服従する支配人。医師、校長、民兵隊長、家政婦、奴隷、牢番に
ネズミ捕り。旅回りの一座、流浪の説教師・・・、そして原住民。
老判事の書記・二十歳の青年マシューが、この混沌とした時代の
閉鎖的な町で、ただ一人謎に立ち向かう姿に心打たれます。
事件は魔女の仕業か?犯人は他にいるのか・・・?


読んでいて、場所が日本だったら、横溝作品の金田一耕助!?みたいな
気分になってきました・・・(;´∀`)
2010年も良い本に出合えて幸せです♪


余談ですが・・・。
この本が発売された頃は、『ハリーポッター』から始まった
【ファンタジー】ブームでもありました。
児童書コーナーには、『ハリポタ』に続けと、溢れんばかりの
【魔法系】の本が並んでいました。
本作品タイトルに『魔女』が付いているせいでしょうか、
長いこと児童書コーナーにこの本が並んでいたのを覚えています(ー。ー:)
内容は【R-15】でもいいと思うような表現ありなんですけどね・・・。
店員さんを呼び止めて「これ、ジャンル違います!!」と何度言いたかった
ことか・・・。結局、言えなかった・・・。